ゴム素材特性いろいろ
シリコンゴム/シリコーンゴム(SI:Silicon rubber/Silicone rubber)
ビニルメチルシリコーンゴム(VMQ)は、現在最も多く使用されているシリコンゴムの代表といえます。ビニルシリコンゴムの側鎖にフッ化アルキル基を導入した、フッ素化シリコンゴム(フロロシリコンゴム FVMQ)は、耐油性も非常に良く、低温で耐油性、耐燃料性を要求される用
途にも使用できる万能ゴム的性格をもっています。
形としては、固形ゴムのほかに、液状又は、ペースト状のゴムがあります。
・RTV(Room Temperature Vulcanizable)……室温で硬化するものを、
・LTV(Low Temperature Vulcanizable)……室温加硫と高温加硫の中間くらいの温度で硬化するもの
1.メリット
耐熱性・耐寒性が極めて優秀であり、物理的特性の温度に対する依存性が、合成ゴム中で一番少ないと言えます。耐溶剤性、耐オゾン性、耐候性に優れます。
また、電気絶縁性にすぐれ(1~100TΩ・m{1014~1016Ω・m})、広い温度範囲及び周波数領域にわたって安定しています。
良くも悪くも各種原料ゴムの中で、耐ガス透過性が一番大きいのが特徴です。
2.デメリット
価格がFKMに次いで高いことと、機械的強度が小さく、特に引裂強さが劣ることです。高温の飽和水蒸気では、解重合し劣化する傾向があります。
特殊ゴムとしては耐油性が劣りますが、種類によっては耐油性はクリアできます。
二次加硫(200℃、4時間程度)を必要とします。
3.おもな用途
・パッキン、ガスケット、オイルシール・工業用ロール
・防振ゴムなどの、耐熱、耐寒性の用途及び電気絶縁用医療器
・消泡、整泡材として
・自動車関連部品
・医療関連機器
・食品関連機器部品
※運動用としてのシールパッキンなどには不適当で固定用として主に用いられます。
・シーラントや接着剤あるいは、型取り用などに使用
4.基本性質
※メーカーによって数値は変わってきます。以下の数値は一般的な数値です。(1)原料比重 0.95 ~ 0.98
(2)硬 度 35 ~ 80 HS
(3)耐熱性(最高使用温度) 200℃(短時間なら250℃)
(4)耐寒性(最低使用温度) -50~-70℃
(5)引っ張り強さ 40 ~ 100 kg/cm3
(6)伸び率 40 ~ 100 %
(7)反発弾性 ◎
(8)耐摩耗性 ◎
(9)圧縮永久歪み ×または△
(10)耐老化性 ○
(11)耐水性 ◎
(12)耐オゾン性 ◎
(13)接着性/金属 △
(14)接着性/織物 △